仔犬の行動(5)(6)


分離不安について

 生後7ヶ月頃に発病する「分離不安」について。

 ワンちゃんは、オオカミと同じ群れで行動します。

 家族もワンちゃんにとっては、群れになります。

 飼い主から離れると 淋しくて不安になります。

 仔犬の時期にお留守番のトレーニングをしないと、成犬になってもお留守番のできない子がいます。

 
○飼い主が居ないと激しい不安に襲われ、トイレ以外の場所で排泄する

 ○物を壊したり、悲しげに鳴く

 以上のような症状がある場合は「分離不安」の可能性があります。


 ワンちゃんと特別に強い絆で結ばれ、ワンちゃんの精神的な成長が止まってしまった場合・

 早期母子分離で育った子・心に傷を持った子がかかると言われています。

 予防としては、ワンちゃんの学習能力を高めるトレーニングをして、

 飼い主が主導権をとる事により精神的な成長を促す事ができます。


 よく似た行動ですが、分離不安でない場合も有ります。

 ●身体的なことでトイレ以外で排泄してしまう

 ●飼い主の留守中に玄関ブザーの音や侵入者に吠える

 ●ぬいぐるみで楽しく遊んでいるうちに壊れてしまった

 これらは、分離不安の症状に似ていますが、分離不安ではありません。

 症状だけで判断せず、原因を見極める事が必要です。

 また、生後6ヶ月以内の仔犬が淋しくて鳴く事は分離不安ではなく、 正常な行動です。

 従来、分離不安は「単なる犬のわがまま」と考えられていました。

 その為に、犬の行動を罰してしまい症状がますます悪化してしまいました。

 正しい知識を持ち、ワンちゃんを罰しない事が大切です。

 可愛いからという過剰な愛情を絶ち、精神的に成長するようにトレーニングをし

 精神を向上させる事はワンちゃん と家族の幸せにつながります。

問題行動について

 ワンちゃんは、家族という群れの中での自分の役割を考えて行動します。

 
家族からどう扱われ、どのように育てられたかによって、さまざまな影響を受けます

 人間が意識していない些細な行動が、ワンちゃんの問題行動を誘発してしまう事もあります。

 特に、体罰はワンちゃんの精神状態を悪化させ、良い事は何もありません。

 散歩に行き、食事を与えているだけでは人間社会に適応できません。

 ワンちゃんの習性を理解し、

 人間社会に上手に溶け込めるようにトレーニングする事は非常に大切な事です。

 以下はワンちゃんが問題行動を起しにくくする為の注意点です。

 ○パピートレーニングをする

 ○早期母子分離を避け、兄弟間での遊びを十分にする

 ○社会化期に十分に人間社会に慣れるようにする

 ○幼児期は孤独にしない(構いすぎもよくない)

 ○家族がリーダーシップをしっかりとる

 ○体罰は絶対ダメ

 ○カーミングシグナルを理解する


 問題行動を予防し、人もワンちゃんも幸せな生活を送りましょう。

 次は、カーミングシグナルを含む「ボディーランゲージ」についてです。




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